2018年11月

第24回「野生生物と社会」学会大会(九州大会)第3報
~未来に遺す・未来につなげる-人と野生動物のこれから~

●公開シンポジウム
「屋久島における人と自然の共存」

 人間は自然の一員であり、人間と自然との共存を図っていく必要がある。しかし、近年のシカやイノシシなどの個体数増加・分布域の拡大によって、人間と野生生物の間の軋轢が拡大している。野生生物の「保護」と「管理」の 両立を図りながら、人間と野生生物の共存を進めていくことが強く求められている。

 屋久島は1993年に世界自然遺産地域に登録された自然豊かな山岳島である。屋久島の人々は昔から屋久島の自然資源を使いつつ、人間と自然のバランスを取りながら生活してきた。現在、その豊かな自然は重要な観光資源としても活用されている。しかし、ヤクシカが増加したことによる農林業被害や下層植生の減少などの生物多様性に対する影響が生じており、その対策として個体数調整も行われており、人と自然の関わり方が絶えず問われている現場でもある。

 そのような中で、屋久島の自然に触れながら理解を図り、人と自然の共存を考えられている立場の異なる皆様に集まっていただき、自然に相対する視点から屋久島における人と自然の共存を考えていきたい。


〇日時:

2018年11月24日(土)15:15〜18:15

〇場所:

九州大学・伊都キャンパス(福岡市西区元岡744)
   稲盛財団記念館 稲盛ホール

プログラム

15:15~15:20開会の挨拶
矢原徹一(九州大学理学研究院、大会長)
15:20~15:25趣旨説明
細谷忠嗣(九州大学持続可能な社会のための決断科学センター)
15:25~16:10基調講演1
「―資源としての屋久島、利用と保全の葛藤のはざまで―」
手塚賢至(屋久島照葉樹林ネットワーク代表)
16:10~16:55基調講演2
「屋久島におけるヤクシカ対策について」
柘植規江(環境省九州地方環境事務所屋久島自然保護官事務所)
16:55~17:40基調講演3
「ヤクシカと森の共存を支える人間の役割」
矢原徹一(九州大学理学研究院)
17:40~17:50休憩
17:50~18:15総合討論(司会進行:細谷忠嗣)