第19回「野生生物と社会」学会篠山大会
大会企画テーマセッションのご案内

 本大会では、将来構想における今後の学会の10年の方向性に沿った次の3つの大会企画テーマセッションを準備し、趣旨に即した発表(口頭発表)を募集します。大会企画テーマセッションでの発表を希望する方は、事前にオーガナイザーに申し込みを行ってください。

(大会企画テーマセッション1)
『野生動物の捕獲体制を考える―伝統狩猟と管理捕獲の役割―』

オーガナイザー:横山真弓

1. 企画趣旨

ニホンジカやイノシシの急激な個体数の増加とそれに伴う甚大な被害、あるいは都市部に侵入する大型獣に対処するため、捕獲の社会的な役割が大きくなってきている。鳥獣の捕獲には、地域の地形、鳥獣の生態や行動、鳥獣の特性や捕獲技術を熟知している必要がありさらに法令順守と安全管理が求められるため、だれでも対応できるものではなく、また技術習得に時間を要するものである。そのため、被害防除のための捕獲が必要になったとしても、従来からの体制としてある伝統狩猟もしくはスポーツハンティングを行う狩猟者にボランティア的に頼らざるを得ない現状にあり、趣味的な活動を行っている狩猟者に大きな負担を強いている。本来、野生動物を適切に管理していくためには、狩猟者が担うべき役割のほかに、計画的・戦略的に捕獲を行っていく管理捕獲の体制と技術の役割が必要である。しかし、現状ではそのような仕組みはほとんどなく、現在の野生動物管理の現場では、伝統狩猟と管理捕獲の位置づけが不明瞭なまま、捕獲事業が先行しており、様々な課題が噴出してきている。本企画集会では、これらの混乱のもととなっている伝統狩猟と管理捕獲に関する情報を整理し、これからの日本の野生動物保全管理の適正化を図るためには、どのような考え方と体制が必要であるかを整理する議論を行う。異なる2つの捕獲体制について、それぞれの特徴と担うべき役割を整理し、求められる体制について、適切な情報提供と議論を行うための問題提起などを行う演題を求める。

2. 募集演題数、発表時間

募集演題数4~5、発表時間20分、コメンテーター等はオーガナイザーが指名します。

3. 講演タイトルと要旨、送り先

講演タイトルと要旨を400字から500字でまとめ、オーガナイザーyokoyama@wmi-hyogo.jp までワードファイルにてお送りください。

4. 希望者多数の場合

希望者多数の場合は、企画の趣旨に合致した内容から選択いたします。採択の可否については、8月25日までに応募者に通知します。

(大会企画テーマセッション2)
『野生生物保全・管理の法と政策』

オーガナイザー:上田剛平

1. 企画趣旨

 野生生物の保全と管理を効率的・効果的に実行するためには,法と政策が不可欠である.法は,行政府が取り組むべき課題と目指すべき方向性を政治的手続きにより明文化し,解決のための公的資金の投入を正当化する枠組みである.政策は課題解決に向けた方針を具現化し,様々な施策とその実行手段である事業によって構成される,いわば課題解決のためのツールの総称である.
 当然のことながら,法と政策が,現場で起きている様々な問題点を網羅し,的を得たものになっていなければ,課題解決は困難を伴う.この問題を議論するには,法や政策の意思決定プロセス,政策の実行プロセス,行政サービスを受ける市民側の解決行動プロセスなど,様々なスケールでの検討が必要である.本企画では,「野生生物と社会」学会将来構想で示された学会としての今後10年間の方向性を踏まえ,より現場に近い視点に立った法や政策に関する幅広い研究や事例発表を募集する.発表内容は,必ずしも科学論文研究の体裁を取らなくてもよいものとする.

2. 募集演題数、発表時間

募集演題数4~5、発表時間20分、コメンテーター等はオーガナイザーが指名します。

3. 講演タイトルと要旨、送り先

講演タイトルと要旨を400字から500字でまとめ、オーガナイザー(go-hei@nifty.com)までワードファイルにてお送りください。

4. 希望者多数の場合

希望者多数の場合は、企画の趣旨に合致した内容から選択いたします。採択の可否については、8月25日までに応募者に通知します。

(大会企画テーマセッション3)
『野生生物保全・管理における地域との連携を考える』

オーガナイザー:山端 直人

1. 企画趣旨

 昨今、社会問題化している鳥獣害の問題をはじめ、希少生物の保護活動や自然再生への取り組みなど一般には野生生物の問題ととらえられがちな問題は、実際には対象となる生物だけの問題ではなく、それと接する人の社会との問題であることが重要視されている。人の社会との問題と一括りに表現しても、人の社会は多様な主体から構成されており、その場面によって対応方法も大きく異なる。
 獣害の問題を例にとれば、被害に遭っている農家、同じ集落に住む被害とは無縁の非農家、獣害対策を担うべき行政組織やその職員、等、様々な「人」が社会を構成しており、問題解決の手法や関わり方も、対象とする社会の構成員との関係性により、様々な手法が考えられる。
 野生生物の問題や課題が人の社会との関わりや軋轢による問題を含む以上、その現場においてどのように人や社会との関係を構築し、その問題解決に尽力しているか、有用な事例を整理し、今後新たに発生する問題や地域での取り組みの知見とすることは、今後の野生生物問題の解決やその人材育成において重要なテーマであると考えられる。 
 そこで、本企画集会では、種々の野生生物問題に携わる現場の最前線で活動する研究者や技術者、行政担当者等が、どのような手法で地域社会や行政と連携・協同を行い、その問題解決に取り組んでいるか事例を挙げ、局面毎にどのような課題があり、どのような手法が効果的であるかを協議し、今後の知見とする。そのため、適切な情報提供と議論を行うための問題提起などを行う演題を求める。

2. 募集演題数、発表時間

募集演題数4~5、発表時間20分、コメンテーター等はオーガナイザーが指名します。

3. 講演タイトルと要旨、送り先

講演タイトルと要旨を400字から500字でまとめ、オーガナイザーyamabn00@pref.mie.jp までワードファイルにてお送りください。

4. 希望者多数の場合

希望者多数の場合は、企画の趣旨に合致した内容から選択いたします。採択の可否については、8月25日までに応募者に通知します。