GF主催 野生動物管理の現場訪問セミナー「エゾシカとの共存を考える 西興部村猟区の取り組み」
主催・後援
主催:野生生物保護学会青年部会,NPO法人西興部村猟区管理協会
後援:西興部村
目的
狩猟動物としてのエゾシカの資源的価値を最大限に引き出し,猟区運営によって地域社会とエゾシカとの共存を目指す取り組みが,平成16年度から北海道北部の西興部村で始まりました.このセミナーでは,西興部村猟区を訪問し,地域が抱える野生動物の様々な問題とその解決に向けた取り組みや,狩猟技術や野生動物の生態学的調査技術を現場から学ぶことを目的とします.
日程
2007年5月10日(木)~5月13日(日)
西興部村猟区の概要
通常はガイド付ハンティングが主な事業となりますが,その他にも初心者ハンター教育や環境教育活動など,様々な活動を主体とする全く新しい猟区です.詳細については猟区のHPをご参照ください.
(http://www.vill.nishiokoppe.hokkaido.jp/Villager/Ryouku/index.htm)
講習内容
1.実猟実習・・・モデル銃を使った銃器の取り扱いについて学びます.その後,銃猟によるエゾシカの学術捕獲を見学します.
2.解体実習・・・駆除により捕獲されたエゾシカの解体を体験します.剥皮,大バラシ,肉のブロック分けを行います.
3.調理実習・・・おいしいエゾシカ料理を作ります.
4.ライトセンサス実習・・・ライトセンサスにより個体数調査の技術を学びます.
5.ミニシンポジウム・・・岐阜大学応用生物科学部獣医学講座野生動物医学研究室の鈴木正嗣先生を特別講師にお招きし,北海道のエゾシカ問題の概要や猟区設立に至った社会的背景などについて講演していただきます.また猟区研究員の伊吾田宏正氏,企画代表者であり狩猟学研究者の上田剛平氏による狩猟学の講義を予定しています.さらに西興部村村長による特別講演が行われます.
参加人数
11人
概要
北海道北部の西興部村では,村全体を猟区に設定し,「狩猟」というツールを使って,地域資源であるエゾシカを最大限有効に活用することで,野生動物との共存社会の実現に取り組んでいる.このセミナーは,西興部村猟区にて狩猟技術や狩猟の価値を学ぶとともに,エゾシカとの共存に向けた地域社会の戦略を肌で感じてもらうことを目的に実施した.3泊4日の日程の中に,出猟実習,解体実習,調理実習,ライトセンサス実習,森林ウォーク,ミニシンポジウム,懇親会を盛り込み,多角的に学べるようプログラムを編成した.特別講師には,岐阜大学の鈴木正嗣教授に来ていただき,出猟実習の射手とミニシンポジウムでの講演をお願いした.また,西興部村の高畑村長にもミニシンポジウムでご講演いただき,貴重なご意見を伺う機会に恵まれた.運良くシカの捕獲にも成功し,地域住民の方や参加者同士の交流もでき,参加者からの評価は非常に高かった.個別のプログラムについては,出猟実習と解体実習,懇親会の評価が高かった.
※なお、詳細はワイルドライフフォーラム誌12巻3号に掲載しております。
企画担当者
・企画代表者:上田剛平(兵庫県農林水産部)
・企画担当者:浅利裕伸(帯広畜産大学大学院)
鈴木克哉(京都大学霊長類研究所)
富田涼都(東京大学大学院)