野生生物保護学会新会長・副会長よりご挨拶
- 野生生物保護学会新会長・副会長よりご挨拶(2011.4)
「野生生物保護学会の会員のみなさま」(2011.4) - Wildlife Forum誌 第16巻・1号のご挨拶 「大震災と野生鳥獣」 (PDF)
野生生物保護学会の会員のみなさま
4月9日に平成23年度第1回理事会が開催され、新会長に湯本貴和(総合地球環境学研究所)、新副会長に横山真弓(兵庫県立大学)、新事務局長に吉田正人(筑波大学)が選出されました。新役員よりのご挨拶を申し上げます。
ご挨拶
まず2011年3月11日に始まった東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故によって被災された、また現在も被災されている、すべてのみなさまに心からのお見舞いを申し上げます。
野生生物をとりまく昨今の状況に対処するため、敷田麻実・前会長が提案された「知のプラットフォーム」として、本学会の果たすべき役割はますます重要になっています。ワイルドライフマネージメントあるいはエコシステムマネージメントについて、あるいは野生動物の病気、とくに人畜共通感染症などについて、確かな自然科学的な基盤を構築するとともに、学問的見地に基づく情報をさまざまなステークホルダーと共有し、野生生物と人間生活の軋轢に関する合意形成を図っていくプロセスについて、人文社会科学的な基盤を形成することが本学会に課せられた責務であると考えています。
横山真弓・副会長、吉田正人・事務局長をはじめとした理事会役員のご協力を得ながら、会員のニーズに沿った学会運営をおこなっていく所存です。みなさま方のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
甚大な被害と向き合っておられるすべての方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、復旧復興を目指し始動されている皆様に深い敬意を表します。
この災害により、私たちは、生きている地球の中で生かされているという現実を目の当たりにしました。人間が自然を保護する、という考えはもはや通用せず、すさまじい力を持つ自然環境の状況を適切に把握し、そこから受ける被害を最小限にとどめ、如何に折り合いをつけていくのか、その力が試されているような気がしてなりません。野生生物との関係もまさにそのような局面にあることを日々の研究活動の中で実感しております。
多くの会員の皆様が、これらの局面を適切にとらえ対応していくための研究活動や実務に取り組まれている中で、この学会の役割を大きく実感しているところです。敷田麻実・前会長をトップに築かれた改革の6年間を湯本会長のリーダーシップのもと実現するために微力ながら尽力していく所存ですので、皆様方のご理解ご協力をよろしくお願いいたします。
まず、東日本大震災で被災された会員の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
私は、敷田前会長の下で副会長として、野生生物保護学会の将来構想計画をまとめる役割を担ってきました。このたび、会員の皆様より理事に選出され、これらの将来構想計画を実現にうつすため、力を尽くす所存です。また、理事会において、事務局長に指名され、同じ筑波大学の上條隆志幹事とともに、チームで事務局をお引き受けすることにいたしました。
野生生物に関わる問題が、希少種や生息地の保護、外来種のコントロール、鳥獣被害対策など広がりを見せる中で、本学会が果たすべき役割も、野生生物と社会との関係まで含んだ幅広いパースペクティブを求められています。私の役割は、本学会が将来構想計画に沿って、新たな学会に生まれ変わることを助け、新しい世代に学会の運営や事務を引き続ことだと認識しています。
湯本会長、横山副会長のリーダーシップの下で、これらを実現するため、微力ながら働いて参りますので、皆様のご協力をお願い申し上げます。