野生生物保護学会 野生生物保護学会
大会案内


 ホーム >最近の大会第8回大会 > 第8回大会要旨集 > 第8回要旨集 自由集会
ホーム
学会案内
刊行物案内
大会案内
 →最近の大会
 →第11回大会
 →第10回大会
 →第9回大会
 →第8回大会
  →大会プログラム
  →シンポジウム
  →大会要旨集
   →自由集会
   →口頭発表
   →ポスター発表
入会案内
リンク集

大会要旨集 自由集会


R1R2R3R4R5R6

R1

コウモリ類調査研究情報交換会―関東地方のコウモリ類の生息状況について―

責任者:安井さち子(NPO法人東洋蝙蝠研究所)・繁田真由美(株式会社野生生物管理)

 他の哺乳類と比べて研究が遅れているコウモリ類ですが、多くの種が環境省のレッドデータブック記載種になっていることもあり保全への関心は高くなっています。地方自治体や博物館等の自然環境調査、環境アセスメント調査、あるいは個人の調査など、コウモリ類の調査研究にたずさわる人は次第に増えてきています。しかし、その調査結果は地域の出版物で手に入れにくかったり、未発表であったり、なかなかまとまった情報としては得にくいのが現状です。そしてまた、コウモリ類の保全を考えていく上では隣接する地域の情報も知る必要があります。
 今回の集会では、関東地方でコウモリ類の調査研究を行っている方々に、各地での調査の現状やコウモリ類の生息状況に関して話題を提供していただきます。
 いまのところ、茨城県、千葉県、東京都、群馬県、栃木県、神奈川県からの報告を予定しています。

コンタクトオーサー
安井(上條)さち子
(連絡先) 野生生物保護学会第8回大会事務局
 〒329-2441 栃木県塩谷郡塩谷町船生7556 宇都宮大学農学部附属演習林
  Tel & Fax: 0287-47-1185
  E-mail:masaakik@cc.utsunomiya-u.ac.jp

R2

ニホンライチョウ・オオタカ・ニホンジカ・ツキノワグマ問題を語る

 人口の増加にともない、ここ100年余でいろいろなことが起こりました。野生動物たちも生息地の攪乱、過度の狩猟圧、環境汚染などにより常に追い込まれてきました。その現状を整理し、今後の取り組みについて意見交換をおこなう場が必要になりました。とくに野生動物に関する若手研究者を育てる緊急性が高いことを痛感する時代になりました。そのためには、一人でも多くの方に野生動物のおかれている現状を理解してもらう必要があります。
  第一線で活躍されている方々の生々しい話を聞ける機会をつくりましたので、是非ご都合を付けて参加していただければ幸いです。どなたでも参加できますのでよろしくお願いいたします。

話題提供:
 ニホンライチョウの現状と課題     北原正宣(山岳環境研究所)
 東京都多摩丘陵部のオオタカ問題    高橋久子(東京里山の会)
 ツキノワグマ問題とコリド−      羽澄俊裕(野生動物保護管理事務所)
 神奈川県丹沢山地のニホンジカ問題   山根正伸(神奈川県自然環境保全センタ−)
             総合司会   古林賢恒(東京農工大学)

場所・日時:
 宇都宮大学農学部
 11月1日(土)13:00-17:00

主催責任者:
 古林賢恒(東京農工大学)
 042-367-5746(TEL&FAX)
 kengof@cc.tuat.ac.jp
 府中市幸町3-5-8(〒183-8509)
 (10月25日頃には要旨が完成しておりますので、ご一報下さい)

R3

オオカミ日本復活計画

責任者:若林史子・南部成美(東京農工大学大学院)

 ハイイロオオカミが世界各地で絶滅、または減少した事により、生態系における食物網のバランスが崩れ、その結果有蹄類、特にシカ類が爆発的に増加した。ハイイロオオカミは大型捕食者であるため、キーストーン種としての役割を持っており、その捕食圧の消失、または大幅な低下の影響はシカ類の急増だけに留まらず、シカの過食による植生の退行や、それによるその他植食動物、植食昆虫の減少、それら昆虫を餌にする鳥類の減少、また植生の退行は土壌の流失と侵食を引き起こすため、それによって土壌生物も減少するなど、様々な問題が連鎖的に生じている。このため欧米ではハイイロオオカミの個体数を回復させようという試みがなされており、1995年のイエローストーン国立公園におけるハイイロオオカミ復活計画がその有名な例である。日本でもハイイロオオカミの絶滅によって様々な問題が生じており、現在深刻な状況にある。にもかかわらず未だハイイロオオカミの復活は現実味をもった検討課題として扱われていない。これはなぜだろうか。その原因の解明と解決策の模索について、議論を展開したい。

  1. 食物網から見た自然保護;若林史子(東京農工大学大学院)
  2. イエローストーンでの実例;若林史子(東京農工大学大学院)
  3. 日本の現状;南部成美(東京農工大学大学院)
  4. 日本の生物学における教育内容の検討;南部成美(東京農工大学大学院)
  5. 総合討論
コンタクトオーサー
若林史子 東京農工大学農学部野生動物保護学研究室
〒183-8509東京都府中市幸町3-5-8
TEL:042-367-5737
E-mail:fum-w@jcom.home.ne.jp

R4

日本における猛禽類保護の現状と課題 −クマタカとオオタカを例にして−

責任者:遠藤孝一(オオタカ保護基金・日本野鳥の会栃木県支部)

今日ほど、猛禽類保護が社会的課題となっている時代はない。日本各地で大規模開発と猛禽類が競合し、保護か開発かで大きな問題となっている。
 一方、猛禽類 は行動圏が広大で、生息密度も低いため、その研究は遅れており、生態的知見の蓄積は不十分である。現在ある保護指針も十分なものとは言い難い。さらに、開発に際して各地で行われている環境影響評価調査についても、その手法や効果について疑問視する声もある。
 このような中、「新・生物多様性国家戦略」が今年3月に策定され、その中の個別方針として、猛禽類保護が明記された。ここでは、「猛禽類の保護を図ることは、希少種の保護という面だけでなく、地域の生態系や生物多様性全体の保全を図っていく上でも象徴的な意味がある」と記されている。したがって、今後も様々な人間活動と猛禽類との共存が社会的課題となるであろう。
 そこで今回、日本を代表する森林性猛禽類であり、かつ開発行為との競合で話題にのぼることの多いクマタカ、オオタカの2種に絞って、その保護の現状と今後の課題について議論する。

話題提供者
飯田知彦(広島クマタカ生態研究会):クマタカの生態と保護
遠藤孝一(オオタカ保護基金・日本野鳥の会栃木県支部):オオタカの生態と保護

 話題提供後には、会場の方々にも加わっていただき、今後の研究や保護のあり方について議論を行う予定である。
 多くの皆さまのご参加をお待ちしています。   コンタクトオーサー
遠藤孝一 日本野鳥の会栃木県支部 
〒320-0051 栃木県宇都宮市上戸祭町2910-13
Tel:028-621-1918
Fax:028-621-1924
Email:k-endo@ucatv.ne.jp

R5

エコ思想『新今西進化論』をめぐって(座談会)

責任者:水幡正蔵(在野の研究者)

 今年6月に刊行した『新今西進化論』について、既に読まれた方、これから読もうと考えている方、どんな内容なのか知りたい方、お気軽に参加下さい。ざっくばらんに話し合いましょう。

コンタクトオーサー
水幡正蔵(在野の研究者)
(連絡先) 野生生物保護学会第8回大会事務局
 〒329-2441 栃木県塩谷郡塩谷町船生7556 宇都宮大学農学部附属演習林
  Tel & Fax: 0287-47-1185
  E-mail:masaakik@cc.utsunomiya-u.ac.jp

R6

島根県の中山間地域の将来を考える

責任者:小寺祐二(財団法人 自然環境研究センター)

 1960年代からの高度経済成長による都市勤労者と農家の賃金格差拡大、1970年以降の米生産過剰に対する生産調整は、農業就業人口を減少させ、農業を弱体化させてきた。そして、1980年代以降の貿易自由化の流れはさらなる農業の劣弱化を推し進めている。こうした中、瀬戸内工業地帯と近接している中国地方の農村は激しい過疎化に見舞われてきた。特に農業における条件不利地は、集落の存続すら危うい状況となっており、中山間地域問題として近年注目されている。
 1997年に全国過疎地域活性化連盟が実施した調査の結果、中国地方の過疎集落は人口減少率が10.8%と高い(全国平均は8.4%)上に、集落規模が全国で最も小さく(中国地方の平均集落人口は100.9人、世帯数は34.3世帯、全国平均は164.1人、54.6世帯)、現在でも小規模化が進行していることが明らかとなっている。また、集落の人口構造に着目した分析では「少子化の進行」、「若年層の流出」、「中山間地域における主力世代の高齢化」といった現状が明らかにされている。こうした状況は、集落の自治機能や農業共同機能、福祉、環境管理機能など社会的機能の低下や耕作放棄、鳥獣害の増加をもたらし、集落を崩壊させる要因であると問題視されている。しかし、これまでの中山間地域問題に関する議論は、集落など既存の社会構造の崩壊に対する危機感を訴えることに終始していた様に思われる。目を転じれば、中山間地域では豊かな自然が回復しつつあり、少ない人口故にその恩恵を十分に満喫できるといった見方もできる。中山間地域問題に対しては、地域の持つ長短所を認識した上で、長期的な展望についての創造的な議論が必要なのではないだろうか。
 そこで本自由集会では、島根県を題材とし、中山間地域の現状を紹介した上で、その将来について夢のある前向きな議論を行いたい。

コンタクトオーサー
小寺祐二 財団法人自然環境研究センター
(連絡先) 野生生物保護学会第8回大会事務局
 〒329-2441 栃木県塩谷郡塩谷町船生7556 宇都宮大学農学部附属演習林
  Tel & Fax: 0287-47-1185
  E-mail:masaakik@cc.utsunomiya-u.ac.jp

(C) 2003.10 野生生物保護学会
許可なく転載・複製することを禁止します。 All rights reserved.