平成26年度「野生生物と社会」学会 総会 次第

日時:

2014年11月1日(土)17:00~18:00

場所:

犬山市国際観光センター「フロイデ」3F会議室1

出席:

48名(理事含む)


議長が選出されるまでの間、鈴木事務局長が議事を進行した。

1.会長挨拶(赤坂)

2.大会実行委員長挨拶(湯本)

3.議長選出

議長選出に移り、柳川理事が議長に選出された。これ以降、柳川理事が議長となって議事を進行した。

4.【議決事項1】平成25年度事業報告・決算報告および監査報告(資料1:湯本・敷田)

湯本前会長から、資料1にもとづいて、平成25年度事業報告・決算報告が行われた。 平成25年度の47名増、47名減で、差し引き0名で428名のままであった。平成25年度は、学会誌を2冊発行したが、1号の遅れは取り戻せていない。決算については、マイナス94,341円の赤字となった。
敷田監事から監査報告があり、収支計算書は適正であることが報告された。

5.【議決事項2】平成26年度事業計画・予算計画および中間報告 (資料2 3 4:鈴木)

鈴木事務局長から、資料234に基づいて、平成26年度の事業計画・予算計画および上半期の中間報告が行われた。会員については、今年度になってから44名増加しており、特に個人会員の増加が29名と顕著である。
新理事会体制での最大の課題は財政の正常化であり、第1回理事会で財政立て直し戦略が練られ、それに基づいた今年度予算案の考え方とポイントについて、資料2.3を用いた説明があった。また、理事会における財政再建計画の取り組み進捗状況についても報告があり、計画通り支出の見直し、収入の向上に向けた取り組みを行っていることが報告された(資料4)。とくに賛助会員を新たに6口獲得するなど、個人会員の増とあわせて、収入増にむけた今年度目標は概ね達成できそうな状況である。
フォーラム誌は予定通り発刊されている。学会誌は5月に巻2号を発行し、2015年2月に2巻1号を発行する予定であるが、1号遅れた状態であり、正常発行に向けたスケジュールと発刊体制について検討中である。

6.【議決事項3】会則第2章第5条の変更について(資料5:鈴木)

鈴木事務局長から資料5にもとづいて会則変更案について説明があった。
新理事会体制では、財政状況の立て直しに向けてさまざまな対策を検討している。その一つとして、学会費の割引対象となる青年会員の区分も見直しが検討された。
現在青年会員の資格は、35歳未満であり、中にはすでに就職している社会人も存在する。青年会員の会費は、4000円とかなりの格安であることから、青年会員が増加しても、財政状況の改善にはつながっていない状況である。財政難が喫緊の課題であることを考慮して、割引を受ける対象となるのは、「学生」に限定する、会則変更案が提出された。会則変更には、総会出席者の三分の二以上の賛成が必要であり、意見や質疑応答の後、採決した結果、賛成が27名であり出席者48名の三分の二に以下であったため、会則第2章第5条の変更案については、否決された。
なお、主な意見は以下の通り。

Q:

社会人であっても収入の少ない人も多く、そのような会員に対する配慮は欲しい。

A:

他学会と比較しても、学生会員の区分はあっても青年会員という区分はない。また現在の財政状況を鑑みたうえでの措置としてとらえていただきたい。

Q:

青年会員から学生会員に変更することで、本当に財政が再建されるのかシミュレーションしたうえでもう少し説明しないと会員に対する説明責任を果たせないのではないか。

A:

財政再建はさまざまな努力をしており、今回の会則変更はその一部として位置付けている。短期的には、今年度賛助会員の特典を明確化して6口獲得したことで、財政再建目標は達している。ただ長期的な正常化を目指し、さまざまな対策案を考え実行に移しているところで、その一手段として提案している。

Q:

青年会員から学生会員に変更することで、退会する会員もいるのではないか。それによる減収を心配する必要がないか。

A:

青年会員は会費4000円であり、これは学会誌・フォーラム誌の定価を考えても、実費程度の価格設定と考えている。これまでは若手会員の積極的な参入への投資として位置付けられてきたと思うが、この財政難のなか、現状を維持すべきかどうかということで、理事会で検討し会則変更案を提出することになった。

Q:

この学会は若い人が多く、若い力に期待してもらっていることを感じるので、若い人が参画しやすい学会であって欲しい。

Q:

予算に対して取りこぼしが多い。未納会員に対して会費納入を強く求めるべき。 それらの努力をまずするべきではないか。

A:

今年度から、昨年度決算ベースや具体的な見積りに基づいて予算案を積算しており、かなり現実的な予算案となっている。また、未納会員についてはリストアップし昨日の理事会でも役割分担し、督促することとしている。

7.【報告事項4】会則第2章第6条の変更について(資料6:鈴木)

鈴木事務局長から資料6にもとづいて会則変更案について説明があった。
これまで当学会では団体会員、賛助会員という区分があったが、それぞれの会員特典は明確化されておらず、他区分と同様の権利を有していた。団体会員は4団体、賛助会員はゼロの状況であり、今後の財政再建に向けて、団体会員、賛助会員獲得をめざし、それぞれの会員特典を明確化する必要があり、資料6の会則変更案が示された。
会則変更には、総会出席者の三分の二以上の賛成が必要であり、採決した結果、賛成が47名であり出席者48名の三分の二以上の賛成が得られため、会則第2章第5条の変更案について可決された。

8.【報告事項1】賛助会員規約ほか規約変更事項について(資料7:鈴木)

鈴木事務局長から、第2回理事会で新たに賛助会員規約(資料7)の設立が承認されたほか、事務局所在地規約、会費規約の事務的な変更案が承認された旨、報告があった。

意見
Q:

賛助会員規約について、賛助会員が受ける権利として大会期間中の展示ブースの開設費や大会要旨集の広告掲載費割引とあるが、大会運営費を圧迫することにならないか。

A:

割引率は大会実行委員が決めることとしており、それぞれの大会における運営費状況によって決定できることになっている。

9.【報告事項2】学会誌とフォーラム誌発行状況(資料8学会誌WF誌:横山・江成)

八代田編集幹事より、学会誌「野生生物と社会」の発刊状況、投稿・査読状況について報告があった。2014年5月に1巻2号を発刊、次号2巻1号は1月発刊を目指して編集作業を進めている。また現状の編集作業の改善案として、(1) 1号の遅れを取り戻すための発刊計画を策定すること、(2)査読期間の短縮のため、査読者選定のための会員名簿の利用、投稿チェックリストの作成、査読行程のマニュアル化を進めること、が報告された。
江成フォーラム誌編集長より、今年度の編集体制ならびにフォーラム誌の発行状況について説明があった。7月に1号を出版、2月に2号を出版予定。また、19巻1号から発行部数の削減し、バックナンバーの価格が1,000円に引き上げた。20巻1号への投稿を募集する旨連絡があった。

Q:

査読に時間がかかるケースがあるようだが、査読委員の選定方法はどのように行っているのか?

A:

責任編集者が選定しており、査読者は投稿論文を丁寧に確認してお返ししている。査読期間の短縮に向けた努力を引き続きしていくのでご理解願いたい。

10.【報告事項3】活動報告‐青年部会、行政研究部会、男女共同参画(安田、鳥居、八代田)

安田青年部会長より、青年部会について報告があった。2014年7月第5回グリーンフォーラム「地域に住み、地域をおこす??地域おこし協力隊と考えるこれからの地域おこし?」を開催、今大会でコミュニケーションフォーラム『「野生生物と社会」をめぐる多様な社会科学的アプローチ』、『「共創メンタリング」で社会を変える!―最高の人間関係が見つかるワークショップ―』を開催する。また、青年会員に対するWebアンケート調査を実施した。153名の青年会員にメールでアンケート依頼。アンケート結果については、回収率をもう少し上げてから、最終報告を理事会MLとフォーラム誌に投稿予定。
野崎行政研究部会長代理より、昨年度事業結果と今年度事業計画についての報告があった。今年度計画としては、7月に研究集会「放射能汚染と狩猟」を開催したほか、大会期間中に行政研究部会主催のTSを開催する。その他、野生生物行政に関する情報源の整備として、「鳥獣行政」「野生生物保護行政」のアーカイブ保存、資料の目次について引き続きHPで公開する。役員の改選については、14名の立候補者があり、部会総会で新役員が承認され、新たな部会体制が発足されることになる。部会員は89名、准部会員74名。
八代田理事より、男女共同参画推進について報告があった。2014年10月に東京大学で男女共同参画学協会連絡協議会に八代田理事が出席し当学会の状況について報告。今大会では託児施設開設の案内をし、1名申込みがあったが、辞退されたため、利用者はいなかった。

11.次回、次々回の大会開催地について

鈴木事務局長より、5月の理事会で2015年は石川開催に向けて交渉、2016年は東京農工大(決定)、2017年は帯広畜産大(決定)の大会開催スケジュール案が提案された。
それに基づき、石川県開催を関係者に打診したが、石川については来年新幹線開通につき、施設利用が難しいことで断念、その後東北芸術工科大学に依頼・交渉を継続してきたが、人的問題・大学内部の問題等により断られたため、新たな候補を挙げ、年内決定に向けて調整を行う旨が報告された。

12.学会功労賞の授与について(資料9

赤坂会長から、鳥居春己行氏(奈良教育大学特任教授、本学会正会員:前行政研究部会長)に「野生生物と社会」学会功労賞を授与することを理事会で決定したと説明。授賞理由について、資料9にもとづき説明があった。

13.寄付およびF誌バックナンバーの購入のお願い(資料10

赤坂会長より、今大会中にフォーラム誌のバックナンバーを販売していること、また財政再建化のために、次回の会費請求時に1口1,000円の寄付を募集するので、協力をお願いしたい旨、資料10に基づいて報告された。

14.その他

伊吾田理事から以下の報告があった。10月8日環境省に対して、哺乳類学会保護管理委員会との連名で「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に対する見解書」を提出(HP公開)。法改正への基本指針に対するパブコメ意見も提出した。環境省令に対するパブコメ意見も提出する予定。そのほか、今大会のサテライトシンポとして、野生動物関連4学会合同企画シンポジウムを主催。