Wildlife Forum -野生生物 井戸端会議- 25巻1号

2020.8.31
[ J-Stage ]

CONTENTS

巻頭エッセイ

獣害対策は種々の地域政策に繋がる(PDF)

山端直人 兵庫県立大学/「野生生物と社会」学会 理事

02

特集:野生生物保護管理の最前線

車が走る、動物がぶつかる、そして研究者は考える。

浅利裕伸(帯広畜産大学環境農学研究部門) / 伊東英幸(日本大学理工学部交通システム工学科)
末次優花(鳥取大学大学院連合農学研究科) / 本田裕子(大正大学社会共生学部公共政策学科)
野呂美紗子(一般社団法人 北海道開発技術センター)

14

寄稿

都市域に生息する中・大型哺乳類の実態を
自治体・市民ベースのロードキル報告から考える

神宮翔真(早稲田大学・人間科学学術院)

20

寄稿

有害捕獲された野生動物を動物園で有効活用する新たな活動

Wild meǽt Zoo(ワイルドミートズー)
細谷忠嗣(Wild meǽt Zoo、九州大学持続可能な社会のための決断科学センター)

16
GREEN FORUM        野生生物と農業の共生に資する社会科学的アプローチ 公開シンポジウムの報告
24
受賞者の声        第25回「野生生物と社会」学会大会(金沢大会)優秀ポスター賞受賞者の声
26
行政研究部会        鳥獣で喰う2 -研究を職業とするためのわらしべ交換-
28
団体紹介        一般社団法人リアル・コンサベーション
30
The研究室.com        人間環境大学人間環境学部立脇ゼミ
31
BOOK Review        野生動物問題への挑戦
33
WILDGRAM        アカモズの雛の巣立ち



トビラのコトバ

 子供には「車が来ているか右みて、左みて‥‥‥」と教えるであろう。しかし、野生動物に車が危険であることを教えることは難しい。野生動物は信号を守ることもできない。 野生動物との交通事故は人が防いでいくしかないのである。日本国内における野生動物の交通事故(ロードキル)発生数は明確になっていないが、北海道に生息するエゾシカだけでも年間3000件以上(2019年、警察への報告数のみ)が車と衝突している。 全国のあらゆる動物を含めると膨大な数であろう。ロードキルは、動物だけでなく人への被害もあり、効果的な対策を講じる必要があるが、さて何が効果的な対策か?  動物を調べるだけでは解決しない。多様な研究と社会実験が求められる。

文・写真 浅利裕伸